絞りとは

絞り

布を糸やひもなどでしっかり縫ったりしばったり、又は板などで布をはさんだりすることによって、その部分だけ染料が入らないように染める方法です。縫い方やしばり方、板のはさみ方、布のたたみ方によって、様々な柄が生まれます。

絞り染めは、古くから世界各地で行われていました。日本へは、シルクロードを渡って飛鳥―奈良時代に伝わったとされています。仏教がインドから中国を経て日本へ伝来するのと同時期に、大陸文化として入ってきたようです。絞り染めの布は、正倉院にも宝物として数多く残されています。

鳴海絞り

鳴海宿

鳴海絞りは、名古屋市緑区鳴海町を中心に400年以上前からはじまりました。比較的近い場所に木綿の産地があったので、木綿を入手しやすく、絞り染めの浴衣や手ぬぐいなどがよく作られました。

江戸時代には江戸(東京)と京都を結ぶ街道が設けられました。東海道五十三次です。鳴海は41番目の宿場町として栄えました。上は将軍様、大名から商人、町民まで、あらゆる人たちが行き来しました。色鮮やかな絞り染めは、行き交う人々の目にも興味深く映り、手土産として重宝されたそうです。その繁栄ぶりは安藤広重や葛飾北斎の浮世絵などにも描かれています。

日本の他の地域でも絞り染めは行われていましたが、鳴海では絞りについての研究が特に盛んでした。そのため産み出された絞りの種類は100種類以上と、日本のみならず世界的にみても突出した絞りの産地となりました。

1975年には、有松鳴海絞りとして国の伝統工芸品にも指定されています。

絞り染めの工程

工程1

1.デザイン、型彫り、絵刷り

鳴海絞りで表現できるデザインを考えます。
図案をもとに、小刀やハト目抜きなどで穴をあけて型紙をつくります。
刷毛で青花液を刷り込んで図案を写します。

工程1

2.括り

糸と針を使って縫ったり、専用の絞り台を使って括ります。
他にも、板などではさむ絞り技法もあります。
画像は巻上げ絞りを括る様子です。

工程1

3.染色

染色をします。
素材によって染料を変えて、絞りの括りが解けないように注意して染めます。
一部の絞りを解いてさらに染めることもあります。

工程1

4.糸抜き、仕上げ

絞りの種類によって解き方が異なります。
同じ図案でも、一枚一枚表情が違う絞り染め。
それが魅力のひとつでもあり、難しさでもあります。